グエン(阮)さんが多い理由
ベトナム駐在員さんの多くはご存じとは思いますが、一応、知らないと話が進まないのでブログでもこの前提を書かせて頂きます。国によっては同じ苗字の人同士は結婚しちゃダメなんて言われるらしいのに、ベトナム人はグエン(阮)さんだらけ。もちろん結婚してもいいですし。同じ苗字だらけなので下の名前で呼ぶことも多いです。
最後の王朝がグエン(阮)朝だから
もしかしたらベトナム以外の国でそういうルールは無いのかも知れません。今では社会主義国なので王様も王族も居ないのですが、1009年にリー(李)王朝が始まって以来、国民がその王朝の名前に自分の苗字を合わせるという文化が出来たそうです。最後の王朝がグエン(阮)王朝だったので、その時に苗字がグエン(阮)になったあと、特に名前を変える理由もないのでそのままグエン(阮)さんのままで居る人が多いそうです。アラフィフ日本人の下の名前にオ段(〇子とか〇男とか)が多いことに誰も疑問を持たないのと同様、おそらくベトナム人は疑問に思ってなさそうです。
ベトナム人と言えば?
ホー・チ・ミンおじさん
親しみやすい人柄から、ホーおじさんと呼ばれる偉人、ホー・チ・ミン。聡明なこの方が指導者で本当に良かったですねとフォンヌも思いますし、ベトナム人からも好かれているので、この方が一番に思い浮かべるベトナム人と答えて問題ないでしょう。ハイフォンの人々が明らかによく分かってなさそうな駐在妻にそんな質問してくることはありませんが。ホーおじさんは海外に渡って色々勉強したりベトナムのために準備したりするため、元の苗字はグエン(阮)さんだったのですが、何度か通称を変えています。最後は中国人っぽく見せるためにホー(胡)と名乗っていたそうです。
ベトちゃんドクちゃん
フォンヌが最初に思い浮かべたのは、このお二人です。アラフィフ主婦が子供だった当時、ベトナム戦争下でアメリカが撒いた枯葉剤が影響して結合双生児として生まれた子供の分離手術が成功したとか何とかいう話をよくテレビで見ました。ベトちゃんこと兄の阮越さんは分離前から重い脳障害を抱えていて2007年に病死。ドクちゃんこと弟の阮徳さんは結婚して生まれた子供に富士山(フーシー=富士)と桜(アインダオ=櫻桃)をイメージした名前を付けるなど、結構親日家だそうです。手術が上手くいって良かったですねーって報道陣に囲まれた時に、『離れ離れになって寂しいよ』って子供らしいコメントしていたのが印象的でした。いずれもグエン(阮)さん。
頭文字N
よくある苗字なので、ベトナム語教本の例文にもフルネームで自己紹介するグエンさんはよく出てきます。フランスに占領された時にベトナム語は漢字表記をやめるように強要され(日本人も中国人も、このせいで学習難易度上がったわ!って怒っているに違いない)、今もアルファベットに時々飾りのついた文字で表記されています。勉強してきてだいぶたってから気付きました。やたら出てくるNguyễnさんって、グエン(阮)さんだったんですね。匿名希望の場合、GさんではなくてNさんになりますね。